かぜ症候群・急性咽頭炎・急性中耳炎・急性副鼻腔炎など口・咽頭・鼻・耳などの感染を上気道感染症といいます。 それに対して気管・気管支・肺などは下気道感染症といいます。 それぞれの病態に応じて治療をしなければならないのですが、本日は上気道感染症について。
急性咽頭炎は90%がウイルス感染なので抗菌剤は不要です(日本医師会雑誌、137巻、3号:藤本卓司氏論文)。 抗菌剤が必要な病態はA群β溶連菌感染による急性咽頭炎と扁桃腺周囲膿瘍です。 急性中耳炎も約80%はウイルス感染であり、2〜3日様子をみながら、増悪傾向にあれば抗菌剤を考慮しましょう。 急性副鼻腔炎も意外にウイルス性が多いので、抗菌剤の治療は慎重にしたいですね。 細菌性感染が疑われた場合もニュー・キノロン系抗菌剤は第1選択としない方が良いと思われます。 鎮痛解熱作用のある非ステロイド系消炎剤である薬物(ロキソニン、ボルタレン、ニフラン、PLなど)との併用でけいれん発作が発症する恐れがあります。
本日の教訓:薬物の併用禁忌について知識を持ちましょう!