認知症は症候群であり、単一の疾患ではないことを認識する必要が有ります。 以下五大認知症について記載します(東北大学高次機能障害学分野:森 悦朗教授の報告による)。
(1)アルツハイマー病(認知症の50%)
女性に多く緩やかに発症し、記憶障害が出現し、物盗られ妄想がみられる。
(2)レビー小体型認知症(認知症の20%)
60歳以降の男性に多い。比較的急に発症し、記憶障害は初期は軽度だが、パーキンソン症状・転倒・失神・幻視・誤認妄想・注意力障害がみられる。
(3)血管性認知症(認知症の15%)
男性に多く、比較的急に発症。記憶障害は比較的軽度。意欲・感情の鈍麻があり、動脈硬化や脳卒中の既往がある。
(4)前頭側頭型認知症(認知症の5%)
初老期に多く緩やかに発症。記憶障害は比較的軽度。人格の変化・感情の平板化・脱抑制・無関心・偏食などがみられる。 毎日時刻表のような常同行動もみられる。
(5)特発性正常圧水頭症(認知症の5%)
脳脊髄液吸収障害によるもので、パーキンソン病に似た歩行障害・尿失禁・認知症の症状が特徴。脳脊髄液シャント術で症状が改善する治療可能な認知症。
認知症、どれもなりたくないですな。 しかし世の中が窮屈な時代になると全てを忘れて自由気儘な世界に入るのも人生の終わりには必要かもしれない。