胃癌の組織型の中に印環細胞癌というものがあります。 個々の細胞が丁度指輪のような形態でみられ、周囲の組織を破壊しながら粘膜全層を占拠するようになります。 内視鏡で見ると白色斑から褐色調の境界不鮮明なものまで見られますが、進行すると陥凹性病変になると言われます。 進展してスキルス胃癌という予後が極めて悪い病変になります。 このスキルス胃癌は全て印環細胞癌で構築されている訳ではなく、他の低分化型の悪性細胞も含まれます。 従って胃の印環細胞癌とスキルス胃癌は同義語ではないのですが、印環細胞癌の一部がスキルス胃癌に進展し、またスキルス胃癌の中に印環細胞癌があると理解すれば良いことになります。 注意しなければならないのは早期胃癌として手術されたケースで、組織の中に印環細胞癌が含まれていると再発してくる可能性があるという事です(日本医事新報、No.4468, 2009 。広島大学:仙谷和弘、安井 弥)。
やっぱり胃癌に指輪は怖い!