毎年この時期食中毒が流行しています。 嘔吐・下痢で来院される方が多いのですが、殆どの方が外食してから早々に急激な症状を呈しています。 検便をしますと病原性大腸菌、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、サルモネラなどです。 特に怖いのが腸管出血性大腸菌で、下血を呈します。 ベロ毒素を産生するため、重症化すると溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome, HUS)や脳炎などとなります。 食中毒を起こす細菌はその他にも沢山存在しますが、気をつけなければならないのは次のような条件のある人たちです。 すなわち免疫不全・血中鉄過剰・肝硬変症・妊娠・5歳未満・60歳以上・栄養不全・制酸剤服用中・多量の飲水・脂肪食品(チョコレート・チーズ・ハンバーグ)などです。 いつも胃の状態が悪く制酸剤を服用している方は胃液が希釈されて病原体が胃内で生存してしまうからです。 多量の飲水も同じことで、胃酸の希釈は食中毒になりやすくなりことを記憶しておいてもらいたいものです。